今回は「形勢判断の方法」についてご説明します。
対局中に形勢判断を行い、優勢か劣勢かを把握することで、今後の方針が見えてきます。
劣勢時に手堅く打ちすぎたり、優勢時に無理な手を打ったりすることが少なくなり、勝率が上がっていきますね。
この記事がお役に立てれば幸いです!
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目次
形勢判断の3つの方法
まず、形勢判断の方法は大きく分けて3種類あります。
- 相手の陣地と自分の陣地を目分量で見比べる
- お互いの陣地を大まかな掛け算で算出する
- 確定している陣地を1目ずつ丁寧に数える
この3つが代表的な方法で、上から順に形勢判断の精度が「大まか」になっています。
ただし、どれが優れていてどれが劣っているというわけではなく、一局のどの段階でどの方法を活用するかがポイントですになります。
具体的には、
①相手の陣地と自分の陣地を目分量で見比べる:序盤
②お互いの陣地を大まかな掛け算で算出する:中盤
③確定している陣地を1目ずつ丁寧に数える:終盤
というように使い分けるのがおすすめです。
今回は①と②について、具体的な棋譜を用いて解説していきます。
ぜひ、
手順を碁盤に並べながら参考にしてみてください。
※本記事は、級位者向け「囲碁オンライン講座」の参加者の皆さまからいただいたご質問をもとに作成しています。
形勢判断①:相手の陣地と自分の陣地を目分量で見比べる
図1
まず、黒1~黒39を並べてみましょう。
手の深い意味は気にせず、どこに陣地が形成されているかを意識しながら並べてみてください。
そして、
並べ終わったら形勢判断をしてみましょう。
形勢判断の方法は、①の「相手の陣地と自分の陣地を目分量で見比べる」を使いましょう。
序盤は不確定要素が多いため、大まかな判断で構いません。
どのように見るかというと…
図2
このような手です。
赤が黒地、青が白地を示しています。
そして、
お互いの陣地を見比べてみます。(数字を出す必要はありません。)
たとえば、
・右上の赤丸の黒地と、左下の白地はほぼ同じ
・左辺の二間ビラキの黒地と、右辺の二間ビラキの白地はやや白が多い(白12がいる分)
・左上の黒地はコミくらい
・下辺の黒地と上辺の白地は黒地が多い(横幅が黒の方が広い)
このように見ると、「右上の赤四角の黒地」と「下辺の黒地と上辺の白地の差」の分ほど黒地が多そうです。
しかし、
次は白番であることと、上辺の白地に発展性があることから、おそらく互角の局面と思われます。
この後、
・上辺の緑エリアがどれくらいの白地になるか?
・下辺の緑エリアがどれくらいの黒地になるか?
という点が今後の争点になりそうです。
このように、陣地を見比べるだけでも多くのことが分かってきます。(見比べる練習を重ねることで精度はどんどん上がっていきます。)
では、
続きの一例を見ていきましょう。
図3
白40~黒59を並べてみてください。
白は上辺の白地をどれだけ広げられるかがポイントだったため、白40と打って最大限に広げました。
形勢判断をしたことで、白の方針が定まったわけです。
さらに、
黒も上辺の白地の拡大を抑えつつ、下辺の黒地を広げるために黒41~49と対応しています。
このようにして境界争いが生まれていくのです。
形勢判断②:お互いの陣地を大まかな掛け算で算出する
そして、
もう一度、形勢判断をしてみましょう。
今度は②の「お互いの陣地を大まかな掛け算で算出する」という方法で行います。
どのようにするかというと…
図4
このような手です。
陣地を掛け算できるように区切り、大まかな数字を算出していきます。
この局面の場合、
・右上の黒地:
2×8=16
2×3=6
合計22目
・右下から左辺にかけての黒地:
2×10=20
3×9=27
2×6=12
合計59目
・左上の黒地:
2×3=6目
⇒黒地の合計はおよそ87目ほど
・左下の白地:
・3×5=15目
・上辺の白地:
7×7=49目
・右辺の白地:
2×7=14目
・細かい白地(青丸あたり):
7,8目
⇒白地の合計はおよそ85目+コミ6目半=約91目半
この計算では、現在は白地の方がわずかに多いですね。
ただし、次は黒番ですので接戦です。
ここからヨセに入っていきます。
形勢判断の結果、
無理に相手の陣地に踏み込むのでも、手堅く打ちすぎるのでもなく、「ヨセをしっかり打っていこう」という判断になります。
掛け算で数えきれない細かい陣地は目をつむって、大まかで構いませんので、まずは計算にチャレンジしてみてください。
繰り返すことで上達していきます。(棋譜並べをしながら形勢判断をするのがおすすめです!)
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では、
ここからはヨセについて少し触れます。
図5
このあと、黒61は中央の陣地の境界としてとても大きな一手です。
しかし、
この段階から「二線のヨセ」が重要になってきます。
このあと白は二線のヨセを探して打っていくと有利になっていきます。
例えば…
図6(白62~白100)
このような手順です。
白62~白78の二線のヨセが非常に大きいのです。
白100までとなった局面の形勢判断をしてみましょう。
先ほどと同様に、
②のお互いの陣地を大まかな掛け算で算出するという方法で行います。
図7
すると、このような結果になります。
・右下から左辺にかけての黒地:
2×11=22
3×7=21
2×6=12
赤丸あたりに7目ほどできるので、
合計55目
・左上の黒地:
2×3=6目
・右上の黒地:
3×7=21目強
黒地の合計は、約82目です。
・左下の白地:
3×5=15
青丸あたりに4目ほどできそうなので、
合計19目
・上辺の白地:
7×8=56
青丸あたりに合計10目ほどできそうなので、
合計66目
・右辺の白地:
2×7=14目強
白地の合計は、約99目+コミ6目半=約105目半でもあります。
この計算では白地が20目以上多く、次が黒番であっても白が有利です。
ぜひ、碁盤に並べて形勢判断の練習をしてみてください。
自分なりの形勢判断を続けることが大切で、徐々に精度が上がっていきます。
形勢判断③:確定している陣地を1目ずつ丁寧に数える
さて、最後に、
図8
黒61手目でここに打たず、二線のヨセを優先した場合の展開も確認してみましょう。
手順は一例ですが、ぜひ参考にしてみてください。
図9(黒61~黒107)
黒61で左下の二線のヨセに回り、その後も「二線のコスミ」を優先的に打っています。
「相手が受けてくれそうな二線のコスミ」はヨセに入ったら真っ先に打ちたい手です。
この展開で形勢を確認すると、
図10
このような勢力図となり、
・黒地は約100目
・白地は約87目+コミ6目半=93目半
ほどの形勢です。(細かい数字がずれても問題ありませんので、図のマークを参考にぜひ計算してみてください。掛け算でも、1目ずつ数える方法でもどちらでもOKです。)
つまり、
二線のヨセを優先したことで、先ほどの図7とはかなり異なる形勢になりましたね。
二線のヨセの重要性と、形勢判断を実践してみましょうというお話でした。
※形勢判断③の「確定している陣地を1目ずつ丁寧に数える」は手間がかかるため、それほど重視しなくても大丈夫です。
まとめ
形勢判断の3つの方法を改めてまとめると、
- 相手の陣地と自分の陣地を目分量で見比べる:序盤
- お互いの陣地を大まかな掛け算で算出する:中盤
- 確定している陣地を1目ずつ丁寧に数える:終盤
ということでしたね。
③は精度が高い分、局面によっては手間と時間がかかります。まずは①と②から試してみてください!
図11
棋譜並べの追加要素として「形勢判断」を取り入れることをおすすめします。
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では、
ぜひ参考にしていただければ幸いです!
お読みいただきありがとうございました。


